話題の「三体」を観た

Movie

少し前から話題になっていた「三体」をNetflixで観た。

三体 | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト
才能豊かな5人の友が、天地を揺るがす恐るべき事実を発見。時空をまたぐ壮大なスケールで、科学の法則が解明され、人類存亡の危機が明らかになっていく。

あらすじなどは巷のサイトで紹介されているので、私からは説明しないが、とにかく物語のスケールが大きすぎて、圧倒された、というのが素直な感想。

第1話で物語に引き込まれてしまい、最終話の8話まで一気に観てしまった。6時間ぐらい観ていたんじゃないかな。

天文物理学や量子物理学、歴史、環境問題、東洋哲学、VRゲームなどなど学術的な基礎設定もてんこ盛りで、その設定だけでも知的興奮が抑えきれなかった。VRゲームのシーンはRPGっぽい設定(きちんとしたヨシヒコという印象)で、異なる世界線、未来像をシミュレーションした映像を見せてくれた。(「三体」の作者はゲーマーでもあるそうだ)

乱暴に言ってしまうと、宇宙人と接触する系の話だが、そこに留まらない内容の濃さである。

原作はまだ読んでいないのだが、このNetflix版は、登場人物の設定もさまざまな人種に変更されており、人間ドラマとしても非常に見応えがある。

俳優陣も魅力的な方々ばかりである。若き日の葉文潔(主要人物のひとりである天文物理学者)を演じたジーン・ツェンさんは、老年期の役者(ロザリンド・チャオ)さんと本当にそっくりで、人類への苦悩を見事に演じておられた。台湾の新人女優さんだそうだ。マンチェスター出身の中国系の警官・大史を演じたベネディクト・ウォンも人間臭くて良かった。(ファンの間では人気ナンバーワンのキャラクターだそうだ)

「三体」の中で非常に印象に残っているストーリーは、「異星人には嘘という概念がない」「11次元のプログラムによって全ての情報は把握され筒抜け」そして「ウィルの一途な想い」。

あまり書くとネタバレになってしまうが、作中では、異星人からは、地球人は嘘をつき虚構の世界で生きている、と見えているようだ。確かに、この世は虚構の上に成り立っている世界なのかもしれない。では、真実の世界とはなにか、と哲学的な問いを投げかけられているようにも思った。

全ての情報は把握され異星人側へ筒抜け、というのは、昨今の巨大IT企業にも通ずる話だな、そういう暗喩なのかも、と思いながら観ていた。

そしてオックスフォード大学の5人組という設定となっている主人公たちのうちの一人であるウィルの死期が迫ったときの彼の考え方や行動に涙してしまう。

とにかく物語が壮大すぎるが、登場人物それぞれのストーリーが丁寧に描かれていて、哲学的でもあり人間臭さもあり、非常に見応えのある作品になっている。

この作品は、ハマる人が多いのもうなずける。

語り尽くせない、というか、語り明かしたい作品でもあり、時間があれば、何度も見直してみたいNetflix版「三体」である。

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